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通算山行
報告者
加藤秀子
年 月 日
2003年5月3日(土・晴)
二万五千図
富士山
山  名
富士山・剣ケ峰(3776m)
体力度=5・厳しい 技術度=登山は4・やや難しい、スキーは5・難しい 危険度=所々にクレバス
あり・時々落石あり 展望度=展望・高度感とも正に日本一
信じられない夢の大滑降
コースとタイム
富士宮口五合目7:00−三島岳―剣ガ峰11:55〜12:20−スキー開始13:00
―五合目14:30(つぼ足隊)16:30
標 高 差
上り・五合目=約2300m〜剣ガ峰3776=約1476m
下り(スキーの場合)・富士宮口約3650m〜約五合目2300m=約1400m
参 加 者
スキー隊=CL・後藤隆徳(55)、加藤秀子(54)
つぼ足隊=森田利一(32)、青山京子、笠間節子(56)
 
  連休の真っ只中。愛鷹山へハイキングの予定だった私達に前夜、会長から電話が入った。「富士
山へ行こうぜ」と。皆に連絡すると一つ返事でOK。

 既に五合目は観光目当てらしき人達でワンサカ溢れていた。両側車が一杯で真中を走るにも滞る
ような混雑ぶり。やっと1台入れるスペースを探し、身支度を整える。サンダル履きやハイヒールの人
達を尻目に先ずは新六合目マデ。空は抜けるように高く5月の陽射しは強烈だ。日焼け止めクリーム
を顔といわず、手や首にも塗りたくり、尚且つ私は目出帽をかぶりゴーグルで予防対策をする。(にも
かかわらず、後にひどい雪盲となっちゃった。笑い)

 ここから黒く土がむき出した夏道を避けて、雪の残る沢筋を直登する。直ぐに森田の息があがっ
た。五合目で高度順応する時間がなかったせいか、頭痛がすると訴える。しばらく休みをとり再び雪
中へ。腐った雪は歩きやすく高度をグングン稼ぐ。八合目で笠間が遅れ始めた。額に汗を噴出し、や
っと登るような状態だ。反対に頭痛を抱えながらも森田が食いついてくる。あまり歩き込んでいない青
山を一番心配していたが、杞憂に終わりそうだ。
 笠間は夏道をゆっくり登るよう指示し他の4人は頂上を目指す。いつの間にか登る人も少なくなっ
た。九合の小屋を過ぎて九合五尺。更にきつくなった斜面は心なしか硬い。アイゼンが6本歯の青山
には危険だ・・・ここから夏道を左に外れ、三島岳に直接上るザレ場を行く。森田はここでダウン。CL
はここから先行し、青山と加藤は登ってくる人に石を落とさないよう、配慮しながら慎重に足を運ぶ。
板を背負ってのザレ場のアイゼン歩行はバランスが難しい。溶岩の石はギザギザ尖って、よろけて手
をついたら、手の平の肉をえぐってしまった。そして立ち上がるのに、土が流れて足が滑ってしまう。こ
けたら大変だねと下を眺めてゾッとした。アイゼンを付けていてはかえって危ないと2人で外し、やっと
三島岳に着いた時には、CLは既に剣ケ峰を登り下ってくるところだった。(トホホ・・・)
 残した2人が心配だから・・・と直ぐ降りる。頂上直下の雪渓が簡易アイゼンではと懸念するCLに、
「兼用靴では重いけれど12本歯だからこれを青山さんが履いたら?。私は雪に慣れているから簡易
アイゼンでも平気だから」と靴の交換をする。でも時間がたって雪が腐り、数人登った足跡があり難も
ない。「これじゃ大丈夫だねぇ。」と鳥居を少し過ぎたところで再び靴の交換。私たちの作業を既に滑
降したCLが九合五尺の小屋横で待っていた。

 さぁ。ここから夢の大滑降だ。九合五尺から先は雪渓が落ちて見えないが確かに5合目まで滑り込
み出来る。日本で一番高い富士山を今から滑るんだ・・・。ここは何と言っても標高3650m!!
そう思うと、(ウンチングスタイルは横に置いといて〜。)よくぞ此処まで上達したもんだ、とわが身に感
心してしまう。6年前はゲレンデさえも滑ったことはなく、山スキーって何?って言ってた私だったの
に。やはり目標は持つもんだね。
 途中で笠間に会い、森田に会い、青山と3人で夏道を下るよう言い残す。雪の状態は今年サイコー
だ。腐り加減も程良く、板がすっきり舐めるように滑る。止めるときはカシッと決まる。「いやぁー。サイ
コー!」思わず歓声があがった。8の字かいたり、ジグザグしたり、腰振りしたり、きつい斜面だって雪
が腐っていれば目じゃない。わぁ〜お!身体が弾んだ。心が弾けた。ワァ〜オ!富士山の
頂上から滑れたことが嬉しくてたまらなかった。

 五合目の駐車場までキッチリ滑り込みCLと固い握手。下で眺めていたギャラリーがここまで忍耐強
く育ててくれたCLに「有難うございました」と心から感謝する。そしてつぼ足隊を待つ間、板と兼用靴
の手入れを念入りに済ませた。相変わらず人手が多い駐車場では、車の置き場所の指示にひっきり
なしにアナウンサーの声が響く。うるさくて雪崩がおきそうである。
 元気な様子で3人が下りてきた。ここはうるさいと身支度もそこそこに引き上げる。今日は青山さん
の旦那様がいるということで、家にお邪魔することになった。途中で食べるものを調達し青山家に直
行する。

PS.朝方、目がゴロゴロしていたが、大事をとって目を休ませていた。昼頃からチクチク千本針で刺さ
れるような痛みが始まり涙が止まらない。「ヤバイ。雪盲だ。」と思ったがゴーグルは一度も外さなかっ
たのに何故?知人が探してくれた目の救急病院に、電話をして駆け込み手当てをしてもらう。体調の
関係とか、夜更かし、陽射し等が微妙に絡み合ってゴーグルやサングラスをしていても雪盲になる可
能性は十分有り得るんだと・・・言うことでした。
0305富士山報告書