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     会山行報告書                                      リバー・ウォーク・滑沢
通算山行
bQ62A
報告者
幾見 一
年 月 日
2003年8月23日(土)天気:晴
二万五千図
湯ケ島
山  名
伊豆・本谷川(狩野川)支流、滑沢(リバー・ウォーク)
  体力度=3 技術度=3 体力度=3 見所=ワサビ田・太郎杉
コバルトブルーの美しい沢を歩く
コースとタイム
下土狩6:00−滑沢7:30−太郎杉10:30(終了)−さわらび荘12:30
標 高 差
滑沢約450m〜太郎杉約550m=約100m
参 加 者
加藤秀子(54)、幾見 一(59・富士あざみ山の会)

 沢歩きやリバー・ウォークをやった事が無い私は、どんなものかと想像はしても実際にやる事
はなかった。今回、加藤さんからのお話を受けて、またとないチャンスと、歩いて見る事にした。
よく言うところの初体験です。
 五時半に富士インターに集合、あいさつもそこそこに出発。天気の具合がよくない。富士イン
ターでは今にも降ってきそうな空模様で天気が悪いかな?と思いながら集合場所の下土狩駅に
着く。このあたりは空が明るく雨が降るような気配はない。    
 CL(後藤さん)と合流して三名で出発する。車中でいろいろ話がはずむ。CLと同じ世代なの
で昔の映画や音楽など話があう。レイホーの大御所といわれる人との話はいろいろな分野が
次々とでてきて面白い。            
 一路伊豆半島の414号線を南下して修善寺をすぎ、渋滞などなく順調に走り、昭和の森会館
をすこし過ぎたところで右に折れ滑沢川に入る。この入り口はうっかりすると行き過ぎてしまうほ
ど判りにくい。             

 いよいよ滑沢渓谷だ。水量が多く沢音がかなり大きい。水がきれいで冷たそう。早速,仕度に
かかる。ヘルメットとハーネスをCLからお借りして装着する。一応はまずまずのスタイル。(と思
ってしまった)CLは地域研究で近くの丸山に登るので、リバー・ウォークは加藤さんと二人で行く
事になった。                       
 沢に下りると川底の石がよく見えて、まったく濁りのないきれいな水がザンザンと流れ冷たい
感じがする。(清冽って言うんだって) 加藤さんを先頭に川にザブンと入る。
 かなり冷たいと思ったが見たほどではなく、そう冷たさを感じない。川底の大きな石の頭を目
標に,それを踏み石にしてジャブジャブと上流に向かって歩き出す。水の流れの力は意外に大
きく,何度か足をすくわれそうになる。小さなかわいらしい滝がいくつかあって流れが落ちるとこ
ろは深くなっている。水の色のきれいなブルーがそれを教えてくれる。岩肌は灰色で水の流れで
けずられてやわらかい曲線の石ばかり。加藤さんがいろいろ教えてくれる、怒鳴りながら!水音
が大きくよく聞き取れないからだ。大きなゴルジュは歩き易いほうを見ながら高巻きをしてここを
超える。

 しばらく水と格闘しながら上流へと向かう。寒さも感じる事なく快適だ。水になれてきたころに
小休止を取る。まわりは雑木林で遠望はきかない。空を見上げると明るいブルーと白い雲。
木々の間から葉に陽がすかして緑がとてもきれい。黒アゲハが舞っている。落ち着いてきたら、
水音もさっきのようにやかましくはなく、やさしい水音に変わって静かになっていた。清らかな流
れに時間のたつのを忘れてしまう。思わず「キレイだねー」「加藤さんじゃないよ」「・・・」さて出
発。
 歩くにしたがい水の量も少なく川幅も少しずつ狭くなってきた。静かな流れなので怒鳴りあわ
なくても会話ができるようになってきた。大きな岩も知らないうちに少なくなって,上流に行くにし
たがい川の様子がさりげなく変化していく。          リバー・ウォークって面白いじゃな
い。と思った頃にはゴールの「太郎杉」に着いてしまった。今日はここで終わりにする。一時間半
ほどの冒険だったが,山を歩くのとはまた違う趣で楽しかった。

「どこをどう歩くかは自分の考えで決める」そのためにはいろいろな情報を素早くトータルで考え
て行動することが必要だった。寒がりの俺には八月だけの限定版だろうな、と思いながら心は
お風呂に向かって走りだしていた。
 しばらくしてCLがやってきた。かなりきつい藪漕ぎだったようでちょっと疲れた様子。よく利用
するという民宿「さわらび荘」でお風呂に入りさっぱりする。 軽くビールで乾杯。テーブルの上に
はおいしそうなものが所狭しとならべられ,食べきれないほど。突然,鳥の鳴き声が聞こえてき
た。「月・日・星・ホイホイホイ」独特の鳴き声。あっ、サンコウチョウだ。
 静岡県の鳥、県鳥に指定されているサンコウチョウだった。お姿を拝見しようと思ったがすぐに
飛んでいってしまい、見ることができなかった。今日のリバーウオークは後藤さんと加藤さんに
いろいろお世話になりました。おかげさまで本日の成果に満足して帰ることができます。ありが
とうございました。

(東部ブロック「富士あざみ山の会」の幾見(いくみ)さんに投稿していただきました。