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 創立10周年記念山行・地域研究                                             馬夫石
通算山行
bP2
報告者
長岡浩一
年 月 日
2003年4月19日(土) 天気:曇り
二万五千図
伊豆松崎
山  名
南伊豆山塊・馬夫石(まぶいし、545.0m)
体力度=3 技術度=3 藪漕=ほとんど無い 道標=全く無い 展望=北に海が少し
道標の無い、すばらしい尾根道
コースとタイム
東大・演習林9:15―498mピーク10:50―馬夫石11:20―13:05−送電線下13:4
5―林道14:30―15:25
標 高 差
演習林110m〜馬夫石545.0m=約435m
参 加 者
CL:後藤隆徳(56)、加藤秀子(54)、森田利一(33)、
記録:長岡浩一(43)

 天気予報では昼から一時雨。天城トンネルを越え、ループ橋まで来ると山のてっぺんは既に雲の中だ。今
日はヒデ子さんが天ぷらの用意をしてきてくれている。雨の中ではもったいないので、十郎左江門はあきら
め、南伊豆の低い山へ行く事に。                      
 検討の結果、南伊豆町の馬夫石に決定。河津のセブンイレブンで地図をコピーする。青野を過ぎ、岩樟園
とある方へ進む。道路脇にフキがたくさんあって、加藤さんは大騒ぎ。東大・演習林を過ぎ、林道のどんづま
り迄車で偵察。ここの川は妙に青色をしている。途中の竹藪には筍がニョキニョキ出ていた。演習林まで戻
り、倉庫横に駐車。

 川を渡り、演習林から直接馬夫石へ続く尾根を登る予定で入山。畑を過ぎて、なぜか小さな沢を渡る。ん
ん?そして、何かを祀ってある小屋を過ぎたら、林道に出た。んん?地図に無い道?いや、そんなに新しい
道ではないが。とにかく山に取りつく。
急な斜面を過ぎ、尾根に出て緩やかになる。見通しが悪く、現在地確認はできない。尾根はまた急になり、
はっきりしないピークというか平坦な所に着く。どうやら、予定の尾根とは川を隔てた南の尾根を登ってしま
ったらしいが、依然として現在地は不明。とにかく少しでも高い方へと平坦な藪の中を進むと、踏み跡に出
た。少し下り、小さく切れ込んだ谷を渡って、鞍部に登る踏み跡をたどると、りっぱな道に出た。

 緩やかに登っていく。先程の平坦地は、421mピークの一角だったようだ。小さく切れ込んだ谷も地図に
出ている。ウバメガシのトンネルになっている道は、広く歩きやすい道だ。はっきりしたピークを一つ越える
と、次の鞍部には地図どおり右から道が来ている。498mピークは、地図では西を巻いているが、道は尾
根上を通っていた。ピーク上に送電線の鉄塔が立っており、広々していて気持ちがいいので一本入れる。風
がかなり強く、送電線が唸っているが、樹林のおかげで地上は静かだ。
 馬夫石は、主尾根を少しはずれていて、手前で主尾根のいい道をはずれて、左へトラバースする踏み跡
へ入る。さらに踏み跡をはずれ、右へ登って頂上に出た。
頂上は三等三角点で、標石を取り替えたらしく、そばに古い標石が転がっていた。地面はイノシシがほじくり
返したのか荒れていた。北側が開けている。周りの藪の中には、太いわらびが生えていて、加藤さんは大騒
ぎ。たくさん採りました。

 さあ、雨が落ちてこないうちに天ぷらです。加藤さんが準備してきた、アジ・タラノメ・さくらえび・きのこ・芋
等々を、溶いた衣を着けて揚げたてをいただいた。うめえ!
酒は、先々週の山スキー交流会・焼石岳へ行った時、岩手で買ってきた「あじゃら」。後藤さんに背負っても
らった。私は、左肩のネジが肉に刺さって痛いので楽をさせてもらいました。荷物担げなくても誘ってくれる
仲間に感謝です。天ぷら油が無くなる頃、腹も満腹になりました。御馳走様でした。
 
 来た道ではなく、尾根をたどって主尾根に戻る。途中開けた所で、目印となる送電線が尾根を越える所を
確認する。尾根上の道は良い道だが、一本道ではなく、道標は全く無い。位置確認をしながら歩かないと、
あらぬ方向へ行ってしまう。馬夫石の北東のピークで、まっすぐ行かず、左斜面に切り開かれた道を下る
と、尾根らしくなる。右手に婆娑羅山が見える。ゴーゴー風が唸る音が近づいてきて、送電線が近い事がわ
かる。
 送電線の先から急降下が始まり、枝につかまったりしながらどんどん下る。沢を渡って緩やかな植林の中
を行くと、まもなく林道のどんづまりの少し下に出た。「南伊豆町官行造林地」の標柱が入り口に立ってい
る。
 林道沿いにはずっとフキが生えていて、加藤さんの歩は進まない。細くて柔らかくて、キャラブキに良いそ
うだ。利一ちゃんは待ちきれず行ってしまった。後藤さんと私は一杯やりながら歩く。このフキの一部と筍の
煮物とわらびは、翌日後藤さん宅でいただいた。途中、地図に岩樟園とあるあたりに、精錬所?の跡なの
か、コンクリート製の水槽のようなものがあった。車を止めた倉庫前には、陶器製のきれいな火鉢が二つ雨
ざらしになっていた。
 
 弓ヶ浜の温泉(三百円)で汗を流し、下田の小田さんのラーメン屋「二代目」で腹ごしらえする。小田さんの
話では、今日歩いたあたりは、昔、金を掘っていたらしく、川が青いのは、鉱毒のせいだとか。細麺でスープ
がうまいラーメンで腹を満たし、下田を後にする。
 今回の山行は、取りつく尾根を間違えたおかげで、かえって良い山行ができた。長い距離歩けたし、地図
読みの勉強にもなった。山へ入ってしまうと、周りの地形から案外現在地がわかるものだが、麓での判断は
意外と難しかったりする。尾根上はすばらしい道が走っているが、道標は全く無く、人にも会わず、地図が読
めないと迷うかもしれない。