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    創立10周年記念山行・地域研究                                          今山
通算山行
bT
報告者
加藤秀子
年 月 日
2003年2月1日(土)天気:晴
二万五千図
仁科
山  名
西伊豆山塊・今山(いまやま、302.8m)
体力度=3 技術度=2 藪漕=少しある 道標=全く無い 展望=北に黄金崎方面の展望
海 抜 0 m か ら 上 る 山
コースとタイム
11:40(海抜0m)−今山頂上12:40(302m)−頂上発14:10−弁天山切り通し
14:44−駐車場14:55着
標 高 差
海=0m〜今山頂上302・8m=302・8m
参 加 者
CL・後藤隆徳(55)、加藤秀子(54)、森田利一(33)

 記念登山・地域研究の第5回は田子の今山(302m)。国道136号線から大田子に入り、田子中
学校の脇から車1台がやっとの狭い西伊豆歩道・今山コースの周遊道を進む。ゆるい坂道から右
手にカーブすると、左下に小さい湾が覗き、その続きの正面に見えるのが今山。小さな山だが何
故か気になる山だ。

 田子港と安良里港の首の間から、ポッコリと頭を出す半島の丁度真ん中に位置する。右手の山
側に車2台分位のスペースがあり此処へ車を止める。海抜「0」mにこだわり、林道から30m程湾
の入り江に下るが、空瓶、空き缶、ティッシュ等々、ゴミの山には驚かされる。           
海水が透き通り、きれいなだけに砂浜の汚れは残念だ。人としての意識の問題だが、自然を汚す
ものは何れ自分の身に帰る事を肝に銘じたい。                    

 高度計の海抜「0」mを確認し、今山から派生する尾根にとりつく。ウバメガシの群生が見事だ。
潮騒の音を背中で聞きながら、僅かな踏み跡が残る山道を登ること20分。左手に別荘?を過ぎ
た所が切り通し。その先の右側にしっかりとした登山道がある。テープも道標もないが、大きなカー
ブミラーが目印になりそうだ。標高60m。暫く荒れた竹林が続く。それも95m地点で抜けると、背
後に田子湾の静かな海の展望が開ける。

 左右に分かれる分岐を右手にとり、いつしか踏み跡もなくなる110m地点。アオイの木が所狭し
と生い茂り薮に近いザレの急登に、木の根を掴みながらの四つん這いのアキレス腱伸ばしが始ま
る。道なき道の狭い尾根を忠実に辿る。

 標高140m地点。少しの緩斜面にホッと息つく暇もない。太いツルがウネウネと絡まった潅木が
密集し、上半身は枝を払いのけながらの登行だ。跳ね返る枝が目や顔にあたり痛い。バラ木のト
ゲが手や服に引っかかりささくれる。だが、足元は不思議と下草が何もない。急斜面で種が付きに
くいというわけでもなかろうが、鹿やその他の動物が食べてしまうのだろうか。それにしては動物の
糞も見かけない。土が割と柔らかく、急斜面を蹴り込んでもズルッと下がるようなザレの感覚に登
りの手ごたえが充分に感じられるところだ。

 標高220m。大きなウバメガシが続く。ヤセ尾根から少し面の広い、ゴツゴツとした岩が点在す
るようになると頂上は近い。
 頂上は木に囲まれた7〜8畳程の広さで、きれいにスッキリと刈り込まれている。真ん中に三等
三角点の標柱あり。北の隙間越しから黄金崎方面が望め、その名のとおり黄金色の帯状が湾に
沿って美しい。

 頂上からピンクのテープが目印の安良里方面へ下る。道はしっかりとした踏み跡がありテープが
至る所に張られている。グングン下がると、登り返しの分岐にぶつかり、どちらを行くか道に迷うと
ころだ。正面登り返し方面はテープがあったが、周遊コースでテープのない左手の下がり勾配の道
を行く。山の斜面につけられた道は、右側がグッと落ち込んだ時折海を見ながらの下りである。田
子方面の弁天島、尊之島、海にぽっかり浮かんだ岩峰やマーライオンにも似た奇岩が目を楽しま
せてくれる。
 
 道は荒れて少し歩きづらいが、緩やかな下りで迷う事もなさそうだ。更に下っていくと、登りでの
竹林が切れた分岐にぶつかった。これで今山をグルッと一周した事になる。あとは来た通りの道を
下り、天神山(天神山は山名でなく、地名)の切り通しから舗装された林道沿いに駐車場まで。途
中の土手で「のんびる」(ノビル)を見つけ山の春の恩恵に預かった。伊豆は湯の国。下山後は温
泉にゆっくりと入るのも楽しみの一つだ。今回は帰路途中にある土肥温泉「楠の湯」に決めた。銭
湯形式である。外からの入り口で男女別に分かれ、中央に番台が居る。休憩所はないが、入浴料
400円は安い。

 今山は総体的に1時間から、ゆっくり登っても1時間半くらいのハイキング的な山である。しかし
コースは廃道に近く人には出会わない。ルートを見極める目、又展望の望めない急登は花や景観
を楽しむというよりも、普通のしつらえた登山道に飽きた玄人好みの山のようだ。
多少の藪を覚悟で一度は訪れたい山である。


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